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プロジェクト対談

溶接現場の作業環境改善に貢献するトーキンの集塵機製品。そんな集塵機の新製品開発プロジェクトを技術部と営業部を代表して手掛けた2人が、開発時の苦労話や完成時の達成感などの開発ストーリーについて語り合いました。

Members

  • N.A.

    技術部
    2019年4月中途入社

  • N.T.

    営業部
    2017年5月中途入社

※プロフィールなどはインタビュー時点の内容です

プロジェクトのあらすじ

2021年4月1日に労働安全衛生に関する『特定化学物質障害予防規則(特化則)』が改定され、溶接ヒュームへの対策が厳格化されることに。溶接ヒュームとは溶接作業で発生する金属の微粒子(煙状の物質)で、健康被害を引き起こす物質。トーキンでは、溶接ヒュームを回収する集塵機の製造・販売を通じて溶接作業者の安全や健康に長年貢献。規則改定を契機に新型集塵機の開発プロジェクトが発足した。
技術サイドから集塵機開発に携わるN.A.が、営業サイドから西日本エリアの営業を統括すN.T.が、プロジェクトメンバーに選任。新製品開発では初めて主担当を担うことになった中堅世代2人の挑戦が始まった。

Episode.1 プロジェクトのはじまり

N.T.

当社では、営業と技術からメンバーを選出して新製品開発を行うのは、このプロジェクトが初の試みでした。プロジェクトは現在の社長が統括し、私とN.A.さんの計3名で行いました。私は主にスケジュール管理や営業サイドの意見のとりまとめなどを担当しました。

N.A.

これまで集塵機の開発経験はあったものの、主体となって新製品を開発設計するのは初めてだったので、期待と不安が入り混じっていましたね。

N.T.

私も新製品開発に中心となって関わるのは初めてで、ドキドキしてましたよ。N.A.さんは普段の仕事で設計を依頼すると、細かなところまで気を配って対応してくれるのでいつも頼りにしていました。一緒にメンバーになってとても心強かったですよ。

N.A.

ありがとうございます。N.T.さんは私と同い年ですが、当社では先輩です。取引先に同行する機会には、私より溶接業界の知見があるN.T.さんから学ぶことがたくさんあります。

N.T.

こちらこそ、ありがとうございます。プロジェクトの最初の動きとしてまずは、特化則の理解を深めるために関連する国家資格『作業環境測定士』の取得を目指しました。営業なので本格的な化学の知識はなく、必死で勉強して何とか受かることができました。

N.A.

合格の報告を聞いたときは、すごいなと驚きました。はじめは営業中心に計画が進んでいて、ある程度の方向性が固まった段階で私は参加しました。

Episode.2 プロジェクトの特徴

N.T.

改めて溶接現場の課題を探っていくと、溶接の作業スペースは電源やワイヤー、各種工具などに囲まれていて、大きさやコストの面から集塵機の導入を見送っているケースが散見されました。コンパクト化して価格も抑えられれば、より多くの現場で導入のチャンスがあると感じましたね。

N.A.

設計サイドからすると、コンパクト化できる余地はありそうだけど、モーターや フィルターの規格を考えると難航しそうだなという第一印象でした。集塵機は大まかにいうと、吸引するモーター部分とヒュームを捕捉するフィルター部分で構成されています。最終的に既存製品の約半分の奥行きまでサイズダウンできたのですが、コンパクト化とコスト削減の両立に一番頭を悩ませました。

N.T.

新型集塵機としてインパクトを出すには、大胆な小型化とリーズナブルな価格は外せないポイントでした。無理難題と分かっていながらも、N.A.さんならなんとかしてくれると信じてましたよ。

N.A.

溶接ヒュームの集塵機は一般的な掃除機のように、ただ吸い込めばいいわけではありません。高温のヒュームを吸い込んでしまうと重大な事故につながりかねないので、防火のためのフィルター構造は簡素化できません。機能を維持しつつコストを削るために、過剰品質になっている部品がないかを一つひとつ精査していったのは、根気がいる作業でした。

N.T.

営業の目線からすると、どんな製品ならお客様が喜んでくれるかという発想になるので、設計の難しさは度外視してしまうんですよね。

N.A.

営業サイドからの「溜まったゴミやフィルターの掃除を簡単にできるようにしたい」という要望は、今回の設計でターニングポイントになりましたよ。今までの製品を大幅に見直すきっかけになって、モーター部とフィルター部の分割化や引き出し式のダストトレイなど、構造をシンプル化できました。その結果、部品点数を削減できてコストダウンにもつながりました。設計の目線だと機能やつくりやすさに寄ってしまうので、自分の考えだけではこの構造には辿り着けなかったと思いますね。

Episode.3 プロジェクトから得たもの

N.T.

今回のプロジェクトにあたって、こっそりCADソフトを練習してみたんです。ペイントソフトみたいなものかなと思っていたら、円柱を一つ描くにもすごく時間が掛かって。設計を実際に形にするのは、ものすごく大変なんだなと実感しまた。

N.A.

それは知らなかった!技術目線で色々考えてくれていたのは非常に嬉しいですね。私も技術部だけでなく、営業部も交えて細かい仕様検討や改善提案を進めたことで、ユーザー目線に近い環境で製品開発ができ、非常に有意義な経験でした。

N.T.

お客様からの反応は好評で、8台まとめて購入いただいた企業もあります。ニッチな製品ではありますが、営業の数字的にも従来品より着実に伸びていて、ニーズに合った製品を実現できたのはとても達成感がありますね。

N.A.

いつも以上にお客様目線を意識して開発しただけに、お客様からの評価は嬉しいです。技術部の先輩方からは1年という開発期間のなかで、しっかりとした製品をリリースできたことを評価してもらえました。目標に対して妥協せずにアプローチしていく姿勢は、今後も追求していきたいです。

N.T.

私もお客様のニーズへの深い向き合い方は、日々の営業活動にも活かしていきたいです。今回のプロジェクトでは、お客様から必要とされる製品を扱うやりがいを改めて実感できました。溶接に関わる方々が長く安心して働ける製品を提供することで、これからもお役に立ち続けていきたいです。

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